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コンサート

 今夜のコンサート自体は十分に楽しいものだったが、しかし、心に何か引っかかるものがあったのは、会場がグランディ21の総合体育館「セキスイハイム・スーパーアリーナ」だったからだ。
 1年前、ここのアリーナには何ヶ月もの間、何百、何千もの遺体が仮安置されていたのだ。その場所でのコンサートなのだから一言そのことにも言及し鎮魂してほしかったが、東日本大震災からの復興を後押しするような直接的なコメントが出なかったのは非常に残念だった。

 「大きな災害があって歌を唄っている場合じゃないんじゃないのかと悩んだ。1年経ってようやく仙台に来られて歌を唄えて嬉しい」といった主旨のコメントはあったがそれは自分のことについてであって、被災地に対する哀悼の意を称するものではなかった(ように思えた)。なぜ一言、言えなかったのだろう。仙台は学生時代を過ごした思い出深い街だと何度もステージで言っていたのに、なぜ直接なぐさめの言葉や励ましの言葉をかけてくれなかったのか。

 やはり、しょせんは他人事なのだろう。宮城県内でも直接的に日常生活を脅かされなかった人々には、もはや過去の出来事になりつつあるように思う。今夜のコンサートの観客の中に仮設住宅暮らしの方はいただろうか?たぶんいないだろう。みんなコンサートを心底、楽しんでいるようだった。確かに、高いチケット代を払っているのだから愉しんで悪いことなど何もないのだが、ただ1年前、両親の遺体を探しに自転車でこのアリーナまで探しに来た中学生のことを思うと、コンサート会場の暗がりの中で私は涙が止まらなかった。

 唄われた歌の中には、悲しみに負けるなとか、悲しみは時が忘れさせてくれるといった歌詞も多く、被災地へのエールを意識したのだろうとは思えたが、しかし、直接的な言葉で励ましてもらいたかった。照れなのかもしれないが、しかし60歳を越えた日本を代表するシンガーなのだから、臆面もなく芝居がかったセリフを吐いて励ましてもらっても良かったのではないか。

 震災後、1年近く経ってようやく作ることができたという新譜も披露されたが、どうも弱い。悲しみにくれる人を遠くから見守っているからという歌詞なのだが、それでは被災者は救われない。打ちひしがれている人には肩に手を回し、直接言葉をかけて、ともに頑張ろうと励ましてやらないと救われないのだ。そんな話をこの1年間、県内では山ほど聞いてきたが、やはり現場を知らない人間には想像できないのだろう。震災前の恥ずかしがりやで謙虚な日本人にはそれでよかったのかもしれないが、震災後はちがうよ。生死を別ける経験をして被災した日本人は変わったんだよ。そのことをこのシンガーにも知ってもらいたかった。

 今夜のコンサートは、突然生きることに終止符を打たれた数多くの犠牲者の鎮魂になっただろうか。その家族や親族、友人、知人たちの慰めにもなっただろうか。なってほしいと切に思う。

PS
 8千人の聴衆とともにコンサートを聞くなんって、たぶん、生まれて初めての経験だった。ワオッ、照明の演出が、スゲー。

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Author:yyrn
戌年生まれ。南小泉で生まれ育ち、結婚して榴ヶ岡で賃貸暮らしを始め、子供が生まれて仙台の北の丘陵地帯に移住。強烈な宮城県沖地震を経験し、あまりモノには固執しなかったはずが、一生アパート暮らしも淋しいかと13年前に北の丘陵地帯に中古の家を購入。そこで庭いじりでもしているハズが3月11日に大震災を再び経験。幸い家族や我が家には被害はなかったが2万人が亡くなった大震災だ。この経験を無駄にしてはならないのだが・・・・
*写真は震災前の網地島の白浜海水浴場

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